本日の稽古でみんなで碾茶を茶臼で挽いてもらいました。私は今まで何度も口切茶事で茶臼で抹茶わ挽いたことがありますが、ほとんどの社中が初めての体験ということでとても喜んでくれました。最初は茶臼を擦り合わせるだけでなかなか抹茶がでてきません。しばらく茶臼を回し続けてようやく抹茶が茶臼のあいだから出てきます。みんなが飲むだけの分量を挽くのには、相当な時間と労力を要します。
茶碗に抹茶を入れて湯を注ぐと得も言われぬ芳しい香りがたち、茶筅で点てると普段飲んでいるお茶より数段美味しいお茶となります。自分で挽いたお茶だからその味は格別のものであったようどす。異口同音口を揃えてその美味に感嘆して堪能しました。
今は簡単に抹茶が手に入ります。昔の人が一碗のお茶を飲むことがとても大変なことであったことを身に染みて感じてもらえました。以前、父から曽祖父花笑斎が茶色味のかかったお茶でもありがたく美味しそうに飲んでいたと聞いたことがあります。もっともなことだと実感しました。参加した社中からは、ほんのわずかな抹茶でも、決して粗末にできない。抹茶の有り難みを実感したとの声に、とても有意義な企画であったと我ながら満足しました。何事も体験することは本当に大切なことだと改めて感じ入りました。古人の心にほんの少しだけ近づいたのではないかと思います。
今回参加できなかった社中には次回の稽古で是非とも体験してもらいます。
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