お高祖頭巾

かつてとてもお世話になった先生のお宅にお参りに伺いました。そして大樋長左衛門の黒茶碗「お高祖頭巾」を形見にいただきました。

お高祖頭巾とは、江戸中期に順光という僧が高祖日蓮上人像の頭巾から思い付いて被ったのに始まるそうです。片袖形の頭巾から袖頭巾とか大明頭巾ともいうとのこと。4尺(120センチメートル)角に裁った縮緬を、四角の一角を内へ折って額にあて、左右の角を交互に回し留め、顔の前面だけを残して包みました。女性は裏に紅絹(もみ)をつけました。明治には防寒用具として大流行し、中年の女性は鉄色とか、藍鼠、浅葱鼠、若い女性は紫、藤、紅掛け鼠の色を用いたそうです。髪形を壊さないことから好んで用いられました。忍者の頭巾もお高祖頭巾です。ただし顔は隠していますが。

いかにもお高祖頭巾を被ると似合そうな方でした。100歳で亡くなったので鉄色です。故人の面影を偲ばせる品です。