売茶翁の肖像画は、生前に接したことのある山科李蹊、彭城百川、池大雅、伊藤若冲、三熊思孝、円山応挙、高嵩谷、岡田米山人等がそれぞれの画風で描き、その後も多くの絵師や文人たちの筆で今日に残されています。若冲による本肖像画は、売茶翁が没した年に刊行の『売茶翁偈語』に所載されており、そこには、現世の煩悩をすべて払拭し、何にもとらわれない境地に遊ぶ老人の姿が描かれています。ザンバラ髪に無精髭、顔の皺には人生の辛苦が深く刻み込まれ、その表情は眼光鋭くなく、視線の向きが皆目分からない、「ただの老人」そのもの姿です。 『売茶翁偈語』より
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