正野猪五郎(しょうのいいごろう)は、日野椀とともに日野を代表する商品として家伝薬「萬病感應丸(まんびょうかんのうがん)」を製造販売する商家正野家の6代目当主である。猪五郎は代々の当主名である玄三(げんぞう)を名乗り、友斎(ゆうさい)・尚孝(なおたか)・友聲(ゆうせい)あるいは素竹(そちく)と号し、商人であるばかりでなく、茶の湯の他にも俳諧を好む文化人でもあった。晩年、自邸の庭に窯を築き「友斎焼」として、赤楽をはじめ飴釉や緑釉を総掛したものや、鉄絵を施した織部風の茶碗や花入・香合・水指・火入・皿・などを造っている。作陶は松斎に入門したことを契機にはじまったという。松斎を通じ陶家を紹介され、また松斎の指導を受けて製作技術を身につけたものとされている。
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