大神神社献茶祭

4月29日に奈良県桜井市の大神神社(おおみわじんじゃ)で武者小路千家家元による献茶祭が奉仕されました。同社の献茶は表千家、裏千家、武者小路千家家元による輪番で行われています。昨年は裏千家の当番でしたが、新型コロナ蔓延により家元代理による献茶となりました。また密を避けるために茶席も行われませんでした。

本年は、家元の奉仕となり、裏千家同様茶席は取りやめとなりました。今回の献茶祭で家元より炭点前の奉仕を命じられ、まことに光栄なことですが私が奉仕させていただくこととなりました。家元が奉仕する献茶で家元宗匠、または若宗匠以外のものが点前をつとめることはまことに異例なことで本当にありがたく、また誉高いことです。祭典開始後、御神水の授与、宮司の祝詞奏上に続き炭点前、炭を次いだのち御神水が釜に注がれました。続いて家元による濃茶・薄茶が点てられ御神前に供えられました。当日は神職と家元・水屋のみでまったく参列者のいないなか、まことに厳粛な雰囲気につつまれた祭となりました。

大神神社は式内社で大和国一宮、旧官幣大社で、現在は神社本庁の別表神社です。三輪山そのものを神体とするため、山麓に拝殿が建てられ、本殿はなく、明神鳥居の形式の両脇に、脇鳥居が接続した特異な形式の三ツ鳥居(重文)を通して神体山である三輪山を拝します。太古の信仰の形態を今日に伝える数少ない神社です。御祭神は大物主大神(おおものぬしのおおかみ)、大己貴神(おおなむちのかみ)、少彦名神(すくなひこなのかみ)。全国三輪社の総本社で,造酒,医薬の神として信仰されています。

神話によれば、少彦名神が常世(とこよ)の国に去ったあと、ひとりで国造りをしていた大己貴神の前に、海上より出現した大物主大神が御諸山(みもろやま。三輪山)に祀って国造りをしたのが起源とされています。

なお酒の神として酒造家の信仰が厚く、毎年11月14日の醸造安全祈願祭(酒まつり)で「おいしいお酒ができるように」という願いで拝殿に杉玉が吊るされ、その風習が江戸時代の初期頃から全国の酒蔵に広がっています。