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天顔(てんがん)

執筆者の写真: 木津宗詮木津宗詮

天顔とは天子の顔、すなわち天皇の顔のことです。竜顔ともいいます。

弘化3年(1846)1月26日に仁孝天皇が崩御され、孝明天皇は2月13日に践祚(せんそ)されました。践祚とは、天皇の位を受け継ぐことで先帝の崩御あるいは譲位によって行われます。古くは「践阼」と書き、「践」とは位に就くこと、「阼」は天子の位を意味するそうです。これに続いて位に就いたことを内外に明らかにすることを即位といいます。天皇が崩御した場合の践祚は「諒闇(りょうあん)践祚」、譲位の時の践祚は「受禅(じゅぜん)践祚」と称し、古くはその儀式に違いがあったそうです。現在の皇室典範上は、譲位及び受禅践祚が制度化されていないことから、現行では践祚は崩御時に限られています。こうしたことから今上天皇の譲位・退位について国会や有識者の間で論議されている昨今です。ちなみに、現行の皇室典範は、

第四条 天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する。

第二十四条 皇位の継承があつたときは、即位の礼を行う。

と定められています。旧皇室典範では第十条では「天皇崩スルトキハ皇嗣即チ践祚シ祖宗ノ神器ヲ承ク」とされていました。

近年は昭和64年(1989)1月7日、昭和天皇が崩御され、皇位継承の儀式を執り行い今上天皇が即位されました。平成2年(1990)1月23日、宮中三殿での期日奉告の儀から始まり、1年間に渉り関連行事が行われ、11月12日に皇居において、即位礼正殿の儀が執り行われて内外に示されました。同月22日には五穀豊穣を感謝し、その継続を祈る一代一度の大嘗祭が行われています。即位の礼・大嘗祭と一連の儀式を合わせ御大礼または御大典と称しています。

写真は弘化3年(1846)に孝明天皇即位後、初めて大綱宗彦が参内拝謁した折の感激を詠んだ歌です。

 御即位後初めて

天願を拝し奉りし時

よろこひの雲井に高くのほるかな

雲林の雲にふす身も

 御即位後初めて

 天願を拝し奉りし時

喜びの雲井に高く登るかな

雲林の雲に伏す身も

1月30日は孝明天皇のご命日にあたられ、平安神宮で孝明天皇百五十年祭が斎行されます。

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