本日は南宗寺彼岸会法要の掛釜でした。
先ごろ河北省石家荘の趙州和尚ゆかりの柏林寺を参拝し、趙州和尚の舎利塔に献茶をし、明海住職と歓談・呈茶をしました。そのことから床に大徳寺390世の真巌和尚筆になる喫茶去を掛け、前に西天目山の農家でもらった砧の槌を飾りました。花入は南宗寺田島碩應老師銘になる竹尺八「徑山」に高砂芙蓉と蓼、段菊を入れました。なお、この花入は虚堂和尚750回忌にあたり社中と徑山を参詣した折、虚堂和尚墓前の竹で作られたものです。インド土産の白檀香合を千種屋伝来大燈金襴帛紗にのせました。
水指は薬師寺東塔解体修理の際に用いた漆桶、大徳寺447世拙叟和尚書付五郎塗平棗、大樋長左衛門作になる黒茶碗で有隣斎銘「お高祖頭巾」、初代松斎宗詮参禅の師である435世大綱和尚が銘をつけた呉須茶碗「鶴の子」、今回柏林寺でいただいた樹齢1400年の柏樹(ビャクシン)の枝で作った茶杓「趙州」を用いました。この茶杓は田島老師が今朝書付してくださったものです。その他フランス土産の葡萄ナプキンリングを蓋置に見立て、ミャンマーでもとめた同じく見立ての焼き締め建水など、趙州和尚と大徳寺、南蛮の品で道具組をしました。
法要では社中川崎氏と真鍋夫妻によるリュートとリコーダーの奉納演奏が行われました。また茶席でもBGMで演奏が行われました。かつて「東洋のベニス」としてヨーロッパに紹介された国際都市堺の町で耳にすることができたことに想いを馳せていただきました。
法要終了後は老師以下の手料理になる精進料理がだされました。みなさん他ではいただくことのできない南宗寺自家製の精進料理に舌鼓を打たれていました。
毎回南宗寺と大徳寺、堺、南蛮の道具組みでお茶を差し上げます。今回はコロナ禍で4年ぶりの秋の彼岸会でした。ご参加のみなさんお喜びいただけたようでなによりのことでした。
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