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執筆者の写真木津宗詮

方丈古材茶器

建仁寺419世で、同派5代管長竹田頴川(古渡庵)の書付になる建仁寺方丈古材で作られた鮟鱇形茶器です。仕覆が添えられ、蓋裏に朱漆で花押がしたためられています。

建仁寺の方丈は、室町時代中期に安芸国の安国寺に建てられ、のちに安国寺恵瓊がに建仁寺に移築されました。建物の外周すべてに建具が入り壁が少ない構造となっています。昭和9年 (1934)9月の室戸台風で倒壊しました。当日は建具が全て開けられていて、一度に強風が吹き込み、巨大な建物が宙に浮いて地面に落ちて倒壊したそうです。そして昭和15年に復旧されて今日に至っています。なお、内部には桃山時代の画壇を代表する画家の一人である海北友松の水墨襖絵ですが、この時は外されていて無事だったそうです。現在は襖から掛軸に改装され、建物同様重要文化財の指定を受けています。強風があんな巨大な建物が宙に舞い上げたということで、室戸台風がいかに強烈なものだったかを思い知らされます。


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