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更上一層楼(さらにろうのいっそうをのぼる)

売茶翁高遊外の「更上一層楼」です。花は聚光院でいただいた曙椿と白玉椿に錦木、花入は7代直斎作竹一重切「十八公」、前に赤膚焼の茶壺を飾りました。

出典は中国・唐の詩人王之渙(おうしかん)の「登鸛雀楼(かんじゃくろうにのぼる)」です。



 更上一層楼 王之渙

白日依山尽  黄河入海流

慾窮千里目  更上一層楼

白日は山に依(なら)って尽き

黄河は海に入って流れ

千里の目を窮(きわ)めんと欲し

更に楼の一層を上る

意味は、楼の上から西を望めば、あかあかと輝く夕日が沈もうとしている。黄河がはるかかなたの海へ流れこんでいる。このすばらしい眺望に心がひかれ、千里のかなたまでもっと見てみたい。もっと遠くまで眺めたい。さらにもう一階上に登ってみることにしようといった内容です。

もう一層登ると、きっと夕日に染められてキラキラと輝いている黄河が見えることでしょう。来る年もこうした思いで過ごしていきたいものです。

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