佐本来風作「月に秋草絵」茶碗です。漆の金蒔絵の風情を焼物で再現したものです。こうした作風の嚆矢です。
澄子先代家元夫人が可愛がっていた作家で、好みの道具を作ったりしていました。本名が美晴(よしはる)で、夫人はいつも「みはる、みはる」と呼んでいたのが懐かしいです。南宗寺田島碩應老師が「来風」と号をつけたのを契機として作陶に励んでいました。ところがまことに残念なことにもう10年以上前に脳梗塞で半身不随となり廃業しました。見た目は大木凡人に似ていて、作品はまことに繊細な絵を描き、飄々とした性格の人でした。
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