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執筆者の写真木津宗詮

月を望みて孕む

兎舐毫望月而孕、口中吐子。旧有此説、余目所未見也。

兎は毫(ごう)を舐(な)め、月を望(のぞ)みて孕(はら)み、口中より子を吐(は)く。旧(ふる)きよりこの説有るも、余の目のいまだ見ざるところなり。

中国西晋の張華が、当時伝わっていた神仙や異常な人間、動植物についての奇聞や伝説を記した『博物志』の一節です。

ウサギは細毛を舐めて、月を見ていると妊娠する。そして口の中から子を生み出すのである。昔から言われている説であるが、私はは自分の目でまだそんな状態を見たことがない。

月と兎というと餅をついているとか、薬を臼でついているとかいわれています。なんとも微笑ましいお話です。

こんなグロテスクなお話があるのは、ほとんど知られていませんね。

ピッコロ大魔王が口から卵を生み出すのは、案外原作者がこの話にヒントをえたのか?

毎年、このお菓子を見るたびにこの一節を私は思い出します。そんな私も異常な人間なのか?

兎は毫を舐め、月を望みて孕み、口中より子を吐く。


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