木ごとに花ぞ咲にけり

先代家元有隣斎の猪自画賛です。

雪ふれハ木ことに    はなそさきにける



猪が銀世界を楽しげに走りまわっているような、微笑ましい絵です。 賛は、『古今和歌集』冬、紀友則の「雪の降りけるを見てよめる」の詞書の和歌です。

雪降れば木梅に花ぞ咲きにける いづれを梅とわきて折らまし

雪が降れば、どの木にも白い花のように積もる。いずれの木を梅だと見分けて折ればよいのだろうかという意味で、「木ごと」(木毎)は、梅をあらわしたものです。 私の住む吉田山も、今朝は真っ白な銀世界です。