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執筆者の写真木津宗詮

東山に水上げに行く

更新日:2021年6月10日

中国唐末 の雲門文偃(うんもんぶんえん)の語録『雲門廣録』に、


問う、如何(いか)なるか是れ諸仏出身の処。師云く、東山水上(とうざんすいじよう)を行く。


ある僧が、仏はどこにいるのかと尋ねた時、雲門が東山(湖北省馮茂山)が水の上を歩いて行くと答えました。

のちに「破れ圜悟」の墨跡で有名な圜悟克勤(えんごこくごん)は、雲門は「東山水上行」と答えたが私なら、


薫風自南来(くんぷうみなみよりきたる)

殿閣生微涼(でんかくびりょうをしょうず)


と答えてやろう。これを聞いて大慧宗杲(だいえそうこう)は言下に大悟したたそうです。

まことに悟りの世界は奇妙奇天烈で深遠なものです。凡夫には計り知ることのできない境涯です。


大徳寺の宙宝宗于の一行「東山水上行」です。

むかし愈好斎・有隣斎の門人であった帛紗屋の主人がいました。まことに軽快な飄々とした方でした。彼はこの「東山水上行」を、


ひがしやまにみずあげにいく


と読むのだと言ったという逸話があります。禅の悟りとは異なりますが、花街を極めた玄人の境涯も奥深いものがあります!笑



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