今日は11月最初の稽古日です。稽古場の炉を開き、床には初代松斎宗詮の筆になる富士の自画賛、「時雨して窓に富士見る茶のかをり」を掛け。庭の西王母と照葉を竹の置筒に入れました。 江戸時代、炉や炬燵を開くのに旧暦10月の最初の亥のひである「亥の子」に行われました。「亥」は陰陽五行説では「水」であり、「陰」にあたり、火を制御することができると考えたたことによります。今日の暦だと11月2日、旧暦では10月6日になります。私の家では炉開きの日に恒例として「亥の子餅」を用いています。なお、今年の亥の子は10月29日でした。この日は旧暦10月2日です。いよいよ秋の深まる季節で、11月8日が「立冬」でいよいよ冬を迎えます。ところが今年は本当に変な天候で、朝夕は目切り冷えてきましたが、昼間は20度を超えて暑いくらいです。夏の猛暑や強烈な台風がなんども日本列島を襲い、それも異常なの進路で多くの被害を及ぼしました。やはり通常の季節の移ろいであってほしいです。 11月は炉開きとともに今年摘まれた茶が詰められた茶壺の口切が行われます。そうしたことから11月(旧暦10月)は古来「茶の正月」と呼ばれ、格別な月とされています。 植物はまことに正直なものです。今朝、庭の柚子を見ると黄色く色づいていました。『茶話指月集』の一文です。
利休ハ柚の色つくを見て口切を催し


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