柳斎 竹茶杓 銘 平成

 昭和64年(1989)1月7日に昭和天皇が崩御し、直ちに皇太子明仁親王(あきひとしんのう)が即位して今上天皇となった。これを受けて翌1月8日に「平成」と改元された。

 この茶杓は柳斎が平成と改元されたことを記念して命銘した茶杓である。白竹の逆樋(さかひ)で、まことに樋の深い力強い作ぶりである。なお、箱の身の側面に「平成元年一月八日」と改元の日付を認めている。

 茶杓の逆樋とは、竹の末、すなわち穂先が櫂先(かいさき)になる方になるようにとる。そこで深い樋の茶杓を作ることができ、枝打ちのあとが節に残ることにより侘びた印象や力強い茶杓ができる。それに対し、櫂先を末の方に取る形を本樋(ほんひ)(順樋(じゅんひ))という。本樋は櫂先が根元(元)の方を向くように取るので深い樋がなく、節がきれいに仕上がるため、優雅で端正な印象を与える。

 ちなみに、平成の出典は、中国の古典『史記(しき)』五帝本紀(ごていほんぎ)の「内平外成(内平(うちたいらか)に外成(そとなる))」、『書経(しょきょう)』大禹謨(だいうぼ)の「地平天成(地平(ちたいら)かに天成(てんなる))」からで「内外、天地とも平和が達成される」という意味である。



34回の閲覧0件のコメント

最新記事

すべて表示

石ひとつ

石ひとつ筆にも濡れて初時雨 武者小路千家11代家元一指斎が友禅染地露地絵に発句を書いています。 十徳を着た宗匠が正客で、次客と末客は裃を着用し腰に脇差をさした武士です。時雨が降っているのでそれぞれ露地笠をかざし下駄を履いて飛び石をすすんでいます。初時雨ということから炉開き、または口切の茶事に招かれたのでしょうか?よく見ると正客と次客の間の飛石があとから墨で書き加えられています。着賛された発句の「筆

​お問合せ

一般財団法人卜深庵

  • Grey Twitter Icon
  • Grey Instagram Icon
  • Grey Facebook Icon

© 一般財団法人 卜深庵 All Rights Reserved.