利休ハ柚の色つくを見て口切を催し、古織は樅の
わか葉の出る此、風炉の茶の湯よしを申されき
『茶話指月集』
「宗旦四天王」の一人藤村庸軒の女婿久須美疎安(くすみそあん)が、義父から聞いた茶話をまとめた茶書 『茶話指月集』の利休と織部の逸話です。利休は柚の色づくのを見て茶壺の口切をしました。織部は樅の若葉の出るころに風炉の茶事をしました。吉田神社の境内の樅の木も若葉が芽吹いて初夏の訪れを告げています。炉の灰を揚げ鍵畳から丸畳みに改め、風炉の灰を押して点前畳に据えました。いよいよ初風炉の季節を迎えます。
新型コロナウイルスで稽古も中止を余儀なくされてほとんど家に篭った日々です。なんともいえない鬱々とした気分も風炉に改まり、気分も一新して、
一日も早く終息する日の来ることを願って家族でお茶を楽しみます。
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