• 木津宗詮

活かすも殺すも!

 「活かす」とは長所を伸ばす、効果的に使う、活用するとの意味です。「活かすも殺すも」は良いところを活かしていくかダメにするのかという意味です。辞書には単に「生死を握る」という以外に、運命を握るとか行方を左右するというように「生死」というよりも、その後のあり方をどのようにするかを選択するという用法が書かれています。 

 かつて京都国立博物館での茶席で仕舞茶碗になった浅井睦子さんの絵高麗写しの茶碗です。一本ニュウ入っていたので仕舞茶碗として用いられることになっていました。ところが私はこの茶碗がとても気に入ったので点出しの数茶碗として使いました。私の執心するのをみて浅井さんが稽古で使ってくださいといって譲ってくれました。

 その後、各稽古場で使い、バッキンガム宮殿でのレクチャーの後の呈茶で三碗として使いました。「わび茶」とは不完全なものを評価するという美であるとの話しの具体的な例の一つとして示すのに使い、みなさんに喜んでもらいました。

 一時は傷物として日の目を浴びない仕舞茶碗になりました。ところごイギリスに渡りバッキンガム宮殿で立派な表道具としてデビューしたのです。



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