武者小路千家10代以心斎の銘になる瀬戸焼茶入です。
天保6年に武者小路千家9代好々斎が無嗣で亡くなりました。そこで急遽表千家10代吸江斎の弟以心斎を養子に迎えました。当時、以心斎は6歳で初代木津松斎宗詮が後見となり、高松公の命で3年間大坂屋敷内の長屋が貸与され、松斎に就いて茶の湯の修行をすることになりました。ところが2年後に天然痘に感染し失明してしまいました。そうしたことから以心斎の書はほとんど残されていません。現存する墨跡や書付は松斎が手をとって書かれたものです。この箱書も松斎が手をとったものと思われます。
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