土佐光貞の描いた鯛に大徳寺第390世、芳春院15世の眞巌宗乗(しんがんそうじょう)が「福寿海無量」と着賛した軸を掛けました。
鯛はその姿が美しく、赤い色がめでたいとし、また「めでたい」に通じるところから縁起のよい魚とされてきました。日本人は早くから鯛を食べていて、縄文 時代や弥生時代の貝塚などの遺跡から鯛の骨がたく さん出土しています。日本人にとって、鯛は古来より重要な食用魚でした。鯛は魚の王様とされ、冠婚葬祭等に欠かす事のできない食材です。
光貞の描く鯛はいかにも波間から跳ね上がった粋のいい姿をしています。そんな鯛の姿に、眞巌は福徳が大海のように無量無限であるとの心で「福寿海無量」と賛を着けたのです。
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