第3回なんば茶会を無事に終えることが出来ました。
めずらしい物とか珍奇な物のことを表す語に「なんば」という言葉のことです。その語源は「南蛮」です。安土桃山時代、堺は東南アジアやポルトガル・スペインなどのヨーロッパなどとの南蛮貿易の交流拠点で、海外から渡来した人々や文物や宗教・音楽などの文化と日本人とその文化が混在する「東洋のベニス」とよばれる国際色豊かな貿易自治都市でした。
南宗寺田島碩應老師の全面的なご高配により今回で第3回目の開催となりました。秋晴れの好天に恵まれ、遠く九州・関東からもご参加いただきました。かつて国際色豊かだった堺の地や南宗寺をテーマとした茶席2席と点心席、当時、堺の町で奏でられていたリュートの演奏、陶芸をはじめ工芸の展観等をお楽しみいただきました。
特に今回は近年ベトナムの技能研修生への不当な扱いが問題になっています。かつて1週間ベトナムで暮らしたことがあり、その時にベトナム人に格別良くしてもらった経験があります。また彼らは日本に敬意をもってきているのに酷い扱いで失望している人たちがたくさんいる現状です。そこで今回はベトナム総領事館を通じ、技能修習生と留学生を招待して、日本の良い思い出を作ってもらい、また日本の茶の湯者と交流してもらう企画としました。
ご参会くださいましたみなさん、連日にわたり水屋を手伝ってくださった方には、厚く御礼申し上げます。
第三回なんばん茶会
会 記
時、十月一日
於、南宗寺
寄 付
床 大徳寺三九〇世真巌宗乗横物 喫茶去
広間席
床 南宗寺開山大林宗套筆 一行 虎嘯而風烈
脇 清水寺 角倉船絵馬写 一双
花入 安南染付 龍絵
花 秋草種々
香合 竹 大徳寺四三五世大綱在判 正玄造
炭斗 バリ土産 菜籠 床本内張
羽箒 鳶
釻 利休所持写 浄益造
釜敷 自作 反古紙
火箸 本多家伝来明珍作鉄梅象嵌写
瀬田唐橋古釘を用いる 菅次造
釜 南宗寺常什 南宗寺吹毛軒筆 円窓 夢 宗三郎造
縁 唐銅鬼面 宗三郎造
先 煤竹結界
水指 南蛮 細
茶器 武者小路千家三代宗旦好 溜塗棗 杉木普斎在判
茶碗 武者小路千家七代直斎手造 赤 銘柿
武者小路千家八代一啜斎箱
替 青磁 鎬
々 安南染付
々 高麗青磁 太鼓胴
々 紅安南
々 安南染付 馬上杯
茶杓 藤村庸軒作 竹 武蔵野 共筒
蓋置 武者小路千家十二代愈好斎好 武蔵野 共箱 蘇山造
建水 タイ土産 ベンチャロン 色絵
菓子 壬生の里 京都鶴屋製
器 更紗紋 高坏 正和造
莨盆 ミャンマー土産 蒟醤舟形
火入 南京赤絵
煙管 武者小路千家七代直斎好 芋虫張 浄益造
莨入 唐物
香箸 木津家四代花笑斎好 菊頭 宗三郎造
一服一銭
床 吹毛軒筆 旗 不風流処也風流
花入 琉球土産 魚籠
花 季のもの
香合 インド土産 白檀
帛紗 バドゥイ族 テキスタイル
釜 韓国土産 真鍮 菊地紋 真形
風炉 韓国土産 真鍮 朝鮮
水指 南蛮 瓶
棚 荷ない茶屋 啓司造
板 玉林院古松 半板 七代宗詮襲名の折 一丘造
茶器 紅毛 染付 ミルクピッチャー
茶碗 径山 銘芳香 吹毛軒箱 虚堂和尚七五〇回忌
径山興聖万寿寺香炉の灰を以て造る 和也造
替 刷毛目 『107年の謎』調査の折
東莱迫間別邸の土を以て造る 正和造
々 安南青磁
々 三島 内草花絵
茶杓 南宗寺吹毛軒 竹 銘南国(パラダイス) 共筒共箱
インドネシアバドゥイの竹を以て削る
蓋置 フランス土産 葡萄ナプキンリング
建水 カンボジア土産 南鐐 仏器
菓子 団子 金谷正廣製
莨盆 バリ土産 アタ丸籠
火入 紅毛
莨入 ベークライト 歌舞伎絵
煙管 クレーパイプ
香箸 韓国土産 ステンレス 箸
点心席
床 白隠鉄鉢画賛 喰だけは天がもてくる落穂かな
以上
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