先代家元有隣斎の書付になる絵御本茶碗です。絵御本は寛永期から元禄期にかけて、釜山の倭館で、日本人の監督下に作られたものだそうです。双葉の葵が青黒い線描きで描かれたわびた茶碗です。


いかなればその神山の葵草
としはふれども二葉なるらん
小侍従「葵をよめる 」です。どういうわけで賀茂の神様が降臨された神山の双葉葵は、どれほどの年月が経っても双葉のままなのだろうか。
その双葉の間に花が付き種子ができます。そしてその種から新たな葵が生まれます。葵は密集して繁茂していきます。その瑞々しさはこの上もなく美しいです。まさに子孫繁栄です。


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