茅の輪(ちのわ)

かつての日本では、梅雨の影響もあり夏を迎える時期に、疫病の流行がしばしばありました。新年の始まりから半年間の身についた穢れを清めて災厄を祓う神事として夏越の祓が各地の神社でおこなわれています。むかしの人は病も穢れと考え、神社で穢れを祓って無病息災を祈念しました。


現在、多くの神社で「茅の輪くぐり」が行われています。境内に茅萱(ちがや)で編んだ直径数メートルの輪が設けられ「祓い給へ 清め給へ 守り給へ 幸え給へ」と唱えながら、8の字に三度茅の輪をくぐります。




神話によると、スサノオノミコトが旅の途中に宿を求めた、備後国の蘇民将来(そみんしょうらい)が貧しいにも関わらず、もてなしたことで「疫病を逃れるために、茅の輪を腰につけなさい」と教えられました。スサノオノミコトの教えを守った蘇民将来は疫病の難を逃れることができました。それ以来、無病息災の祈念として茅の輪を腰につける風習が生まれ、江戸時代には、現在のようにくぐり抜けるものとなったといわれています。


例年、吉田神社の氏子は夏越の祓の神事が終わると、四垂(しで)の付けられた茅萱をもらって帰り、それで小さな茅の輪をつくり、四垂を結んで玄関に掛け、残りの半年を禍から守ってもらいます。今年も我が家も禍が及ばないように小さな茅の輪をつくりました。