釈迦如来 転法輪処 当極楽土 東門中心
『新纂浄土宗大辞典』に、
太陽の没するのを観想すること。日観・日輪観ともいう。①衆生をして境(きょう)識りて心を住せしめんと欲す。②衆生をして自の業障に軽重あることを識らしめんと欲す。③衆生をして弥陀の依正二報の種種の荘厳 光明等の相の内外照曜して、この日に超過すること百千万倍するを識知せしめんと欲す、という三種の意味に分けて説明している。
と、日想観を説明しています。要は太陽が沈む時に西の方角に向き、心を落ち着けて沈みゆく夕日ををじっくりと見て極楽浄土を見る修行です。四天王寺の西門は極楽浄土の東門にあたり、鳥居扁額に、
釈迦如来
転法輪処
当極楽土
東門中心
とあり、そのことを示しています。説明書きによると、建立当初は木造で、永仁2年(1294)に社会的弱者救済に尽くした忍性により石造りに改められたとあります。扁額の書は弘法大師あるいは小野道風によるものとも。
この石の鳥居が極楽浄土の入口で、遥か彼方の十万億土の西方極楽浄土に想いを馳せて鳥居越しに沈む夕陽を拝むという信仰が今日まで続いています。
難波の海雲居になして眺むれば
とほくに見えず弥陀のみくには
藤原家隆