大徳寺僧堂元師家の川島昭隠老師の利休居士肖像画讃です。浄益作になる唐銅経筒に利休居士ゆかりの菜の花を入れました。
利休居士肖像 比来天地一茶顚 好事風流不隠然 右手握扇挙烏帽 雪梅之後月明前 紫野聚光院主昭隠敬題(印)
比べ来る天地一茶顚 好事風流にして隠然たらず 右手に扇を握り烏帽を挙す 雪梅の後月明の前
利休居士は天地の頂上を極めた比類のないわび茶を大成しました。その茶の湯は世俗から離れた上品で数寄を凝らしたものです。そして目に見えないところまで強い力をもち、絶え間なく隠すことなく現されています。そうした茶の湯を成したのがこの右手に扇を持ち、頭に烏帽を被った老漢です。それは厳しい雪の中で芳香を放って咲く梅であり、煌々と照り輝く月明かりに照らされた梅花のようなものなのです。
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