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静かに聴く松風寒し

江戸時代の土佐光孚(みつざね)という絵師の月に琴の自画賛です。

月色満軒白  月色軒に満ちて白し

琴聲宜夜闌  琴聲宜しく夜闌(たけなわ)

飂々青絲上 飂々(りゅうりゅう)は青絲の上

静聴松風寒 静かに聴く松風寒し



月明かりが軒を白く煌々と照らし、どこからともなく琴の音が微かに響き渡り、夜は更けて今まさにたけなわである。そよ風が琴糸の上をかすかに吹き、静かにその琴の音を聞いていると、松の枝から下りてくる秋風は、早寒い風である。

今宵の月をあなたはどのように眺めますか?

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