社中の金谷正廣さんの「香魚」です。
鮎(あゆ)は川の岩についた藻を食べるため独特な香りがするので「香魚」と表記されます。干菓子のように見えますが、つくね芋をふんだんに使っているので柔らかく半生菓子です。柔らかいうちに体を曲げて串を刺し、焦げ目をつけて砂糖がまぶしてまるで鮎の塩焼きそのものです。中にあんこが入っていて、食べると芋の香りがして独特の食感でとても美味しいお菓子です。稽古の菓子に使ったらみんな目を丸くしてました。どこから見ても鮎の塩焼きです。下に笹の葉でも敷いたら見まがってしまいます。
菓子器は明治14年の北野天満宮献茶祭で、お供物のを載せた土器です。それに細かな金箔をぶり一指斎が墨で花押を認めて菓子器にしたものです。
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