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執筆者の写真木津宗詮

馬藺後立牛皮小札之兜(ばりんうしろだてぎゅうがわこざねのかぶと)

7日が旧の端午の節供でした。昨日が東京の稽古だったので今日五月人形をかたつけました。そして床にずっと掛けていたのがこの軸です。「東山絵所絵師 高谷宗賢」と署名のある豊臣秀吉着用の兜の図です。なお、高谷宗賢は明治、京都の四条派の画家です。

ご承知の通り、豊臣秀吉は戦国時代から安土桃山時代にかけての武将です。織田信長に足軽として仕え、のちに天下統一をし、関白になった立志伝中の偉人です。 息子に少しでもあやかってもらいたいという思い出かけています。親バカですねー この豊臣秀吉着用の兜の正式名称は「馬藺後立牛皮小札之兜」というそうです。鉢は一の谷形で、馬藺とは菖蒲の一種の葉をかたどった薄板を後立に挿しています。「菖蒲」は「尚武」に通じます。また朝日が昇ることをイメージして造られたとされています。 ちなみに、この兜は豊臣秀吉がずっと着用していたのではなく、蒲生氏郷の家臣西村重就に九州攻めの褒美として与えています。そうしたことから秀吉が着用し期間は非常に短いといわれているのです。あまりにもインパクトがあるので豊臣秀吉の兜といえばこの「馬藺後立牛皮小札之兜」と定着したのだそうです。

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