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執筆者の写真木津宗詮

4月27日稽古場の床

本日の自宅稽古場の床は、大徳寺の大綱宗彦の七言絶句「偶成(ぐうせい)」を掛けました。花は薮椿と射干、花入は伊万里焼白磁徳利、薄板はミャンマー土産です。



 偶成

烟霞深擁北山岑

不用春光向外尋

柳暗花明二三月

黄鴬日々伴吾吟

   空花道人(印)




 偶成

烟霞(えんか)深く北山(ほくざん)の岑(みね)擁(よう)す

春光向外(こうがい)に尋るを用いず

柳は暗く花は明るく二三月(にさんげつ)

黄鴬(こうおう)は日々吾に伴い吟ず


煙の様な霞が北山の峰を包み、春の暖かい光をわざわざ外にもとめる必要はない。春も二月、三月となると野が花や緑に満ちた美しい景色にあふれる。黄鴬(こうおう)は毎日わたしと一緒に歌う。

今日は旧暦3月19日で、大綱の詩は当時の今時分の京都の風情を詠んでいます。近年の温暖化により春が短くなったようです。今年は早くも桜が散ってしまい、鴨川の柳も青々とした若葉をたたえ、早くも初夏の趣を迎えています。

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