自宅の稽古の床に伝藤原為家の「詞花集歌切」を掛けました。
大江嘉言
おきのハにそゝや秋風ふきぬなり
こほれやしぬるつゆのした玉
和泉式部
秋吹ハいかなる色のかせなれは
身にしむハかりあハれなるらん
曽祢好忠
みよしのゝきさやまかせにたてる松
いく秋風にそなれきぬらん
2週間ほど前、これまで多くのことをご指導くださり、大変お世話になった大恩人が、入院されている病院から電話をかけてこられました。自宅にもらってほしい掛軸があるので取りに来てほしいとの内容でした。そこで早速お宅に伺いいただいて帰りました。まことに生真面目で几帳面な方で、数年前からこれまで集められた資料をはじめ道具や古書など身の回りの品を整理されていました。
そして昨日、身内の方から先週の木曜日に亡くなられたとの訃報があり大変驚きました。まだまだ多くのことをご指導いただきたく本当に残念な限りです。この軸はその中の一幅で、形見の品となってしまいました。その方は社中とも懇意にしてくださり、今夜の稽古では床にお茶湯とお菓子を供え、また花がとてもお好きな方であったことから、手付籠に秋草種々を入れ在し日を偲びました。
コメント