10月5日 稽古場の床
昨夜の稽古は売茶翁筆になる一行 蹋破澄潭月(ちょうたんのつきをとうはす)」を掛けました。花は一指斎好みの昔籠に秋草を種々。
まことに力強い筆跡で、気力の充実をうかがうことのできる一行です。出典は中国南宋時代に編纂された禅僧史『五燈会元』巻11の臨済、四料揀(しりょうけん)の頌の一節で蹋は「踏」に同じ、「踏破澄潭月(澄潭の月を踏破す)」で清く澄んだ淵に宿る月を歩き通すという意味です。外題に書かれた内容から。元来、この軸は双幅であったようで、もう一幅はこの句に続き「穿開碧落天(碧落の天を穿開す)であったと思われます。