国学の三大人のひとり契沖の詠草「年内立春」です。花は木曽路と梅と水仙を竹一重切花入に入れました。

年内立春
さきてまついかきの梅に大としの
神のいさめぬ春やこゆらん
契沖

梅は春の花でありながら、まだ正月がきていないというのに神聖な斎垣の内で開花しています。大歳神も梅には新年を迎えていなくても年を越えて咲くことを許しています。
「年内立春」とは春が立った(立春)のにまだ正月がこなくて旧年が続くことをいいます。現在の暦では立春は必ず新年と決まっていますが、旧暦では年によって異なります。
大歳神・大年神(おおとしのかみ)は、毎年正月に各家にやってくる神で、15日までの松の内に滞在し、年神とか歳徳(としとく)様とか正月様とか呼ばれています。ちなみに門松は年神が来訪するための依代(よりしろ)で、鏡餅は大歳神への供え物で・注連縄は外から内に不浄が入らないための結界です。大歳神は祖霊であるとか穀物神であるとかいろんな説があります。
今年の立春は旧暦12月25日で、まさに年内立春でした。
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