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4月16日 稽古場の床

明治の御歌所寄人(おうたどころよりゅうど)の須川信行賛になる望月玉溪画「蝶図」です。赤の八重椿と山吹を竹一重切花入に入れて床柱に掛けました。


ただ一つ遊ぶと見えし花影の

蝶は二つにいつなりにけむ


一匹の蝶だと思っていたところ、実は二匹の蝶が重なって花の間を飛んでいたのです。

黄色の蝶の絵を歌の「蝶」という言葉の代わりに詠みます。まことに気の利いた粋な画賛です。

茶の湯では蝶を、「荘周の夢」の故事から、人の栄枯盛衰や一生は所詮儚い夢に過ぎないものとし、その儚さを表すものとされます。そこで蝶の絵や「夢」という文字の書かれた軸がしばしば追善茶会で用いられることがあります。

百花繚乱、野山をはじめ町に至るまで花々が咲く好季を迎えました。ゆかしく花に遊ぶ蝶を見ることができます。


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