6月16日 稽古場の床2

夜の稽古は、江戸時代後期の公家千種有功の二首詠草を床に掛け、一指斎好まの昔籠に紫陽花と矢筈薄を入れました。


             有功

  夏祝

石上ふるのわさ田もにきはひて

としあるみよのさなへとる也

  五月雨

玉たれに残るあふふのかれはさへ

うるひにけりなさみたれのころ


千種有功(ちぐさありこと)は和歌や書が巧みで、また刀剣の収集家で、愛好のあまり自ら刀を鍛え、自詠の和歌をその刀身に陰刻したとのことです。

石上(いそのかみ)の布留(ふる)の早田(わさだ)でお米がたくさん収穫できるこの天皇の治世を、お百姓たちが喜びにぎわいながら早苗をとっている平和な光景を詠んでいます。

またもう一首は、美しい簾に葵祭の掛鬘(かけかずら)の葵がひからびて枯葉となっています。ところが五月雨のおかげでその枯葉が潤っているのではないかと思われるそんな長雨のころを和歌に詠んでいます。

つい先日梅雨入りしました。これから祇園祭のころまで雨降りで湿気の多い日が続き、なんとも憂鬱な日々となります。そして近年とんでもない豪雨となることがしばしば起き、各地で災害をもたらせています。本当に頭の痛いことです。それでも程々に雨が降ってもらわないと困ります。梅雨には雨が降り、土用にはお日様が照らなければお米のできも良くないです。