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8月6日稽古場の床

執筆者の写真: 木津宗詮木津宗詮

本日の稽古の掛物は香川景樹詠草「乞巧奠(きっこうてん)」です。




  乞巧奠  

           景樹

天漢まつ  

  ワか袖を 

 ぬらしけり 

   たらひ     

     の水に   

   影を   

    見る     

     とて



乞巧奠とは、牽牽牛(けんぎゅう)と織女(しょくじょ)の二星が、一年に一度天の川を渡って逢瀬を楽しむという中国の伝説と、日本の棚機(たなばた)姫の信仰や祓えの行事が結合して、女子が機織りなど手芸が上達することを祈った祭りです。「乞巧(きっこう)」とは、「技巧を授かるよう願う、上達を願う」、「奠」は神仏に物を供えて祭るという意味です。

奈良時代の持統天皇のころに宮中の節会としてとり入れられました。平安時代には、貴族の家でも行われ、宮中では清涼殿の庭に机を置き、灯明を立てて供物を供え、終夜香をたき、天皇は庭の倚子(いし)に出御し、二星の会合と裁縫や詩歌、染織など、技芸が巧みになるように祈りました。その後、民間にも普及して現在の七夕の行事となりました。

「天漢」と書いて「あまおとこ」と読み牽牛のことです。昔は星を神と同様、直接見ることを恐れ多いこととして水に写してみました。このことを踏まえた和歌です。今も冷泉家の乞巧奠では、星の座に水を張り梶の葉を浮かべた角盥が据えられています。



昨日、大徳寺聚光院でいただいた木槿と風船蔓・水引草をタイ土産の手付籠に入れました。




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