初代松斎宗詮の一行「雨降地上湿(雨降りて地上の湿い)」を掛けました。

雨が降れば大地が潤います。草木は雨によって潤い、葉を繁らせ花を咲かせ、そして実らせます。まさに「慈悲」の雨です。ただしそれにも限度があります。昨今の豪雨による被害を及ぼす雨は「無慈悲」の雨です。天気は人の力ではどうにもなりません。昔も今も祈ること以外になすすべがありません。なんと人の非力なことか。雨があるからこそ晴れのありがたみを感じることができます。そんな穏やかな雨が降ってくれることを願うばかりです。

花はミススミレと蓼を蓑虫籠に入れました。ミススミレはクレマチスの一種です。クレマチスには色々と種類があります。その咲き方が八重咲きや釣鐘型、平開型、ベル型(壺型)、ヒヤシンス型などです。この小さいベル型のミススミレは特別愛らしく丸くて可愛いらしい花をつけます。
クレマチスはギリシャ語のklema(ブドウなどのツル)を語源として、ツルでまつわりつく性質に由来し、ツル性植物の女王とも呼ばれています。春から秋にかけて開花し、品種によっては冬も咲きます。紫、青、白、赤、ピンクなどがあります
とあります。
日本には、室町時代に中国より渡来し、茎が細くて強いことから針金にたとえられ「鉄線」と名付けられました。名前がつきました。別名に風車があります。
クレマチス・鉄線は風炉の季節、木槿と並ぶとてもありがたい花材です。

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