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執筆者の写真木津宗詮

9月22日稽古場の床

秋田

夕まくれひかぬなるこの音たてゝ

あき風さひし賎か小山田  通茂


中院通茂短冊「秋の田」を床にかけました。夕方の薄暗い中、だれが引いたわけでもないのに鳴子が音を立てています。粗末な山間の田に秋風が寂しく吹いています。秋の趣が日ごとに増していきます。

鳴子はもともとは引板(ひきいた、ひいた、ひた)と呼んでいました。地域や時代によって、ヒタ、トリオドシ、ガラガラなどと呼ばれています。稲などの穀物を野鳥に食べられないようにするため、鳥を追い払う目的で使われてきた道具でです。木の板に数本の竹筒や木片を糸で吊るしたものに長い縄をつけて、この縄を離れたところにいる人が引き、竹筒や木片が木の板に当たって音をたて、この音で鳥を脅かし追い払う道具です。今日、木で作った鳴子を見かけることがなくなり、代わりにCDが吊り下げられてます。

花は木槿、紅白萩、野紺菊、蓼を魚籠に入れました。


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