9月24日稽古場の床

香川景樹の短冊「鈴虫」を掛けました。


鈴虫

狩くれし小鷹のすゝや露草の

あたりにそれと響くこゑ哉 景樹


一日中鷹狩にあけくれて小鷹の鈴の音が聞こえます。そして露草の辺りからまちがいなく鈴虫の声も聞こえてきました。

花は秋明菊と彼岸花、水引草を白山の鉈籠入れました。

清少納言は『枕草子』に、虫は鈴虫、ひぐらし、蝶、松虫、きりぎりす、はたおり、われから、ひを虫、蛍これらの虫が趣があってよいとしています。虫の名前は今日とは少し異なります。「鈴虫」は松虫のこと。「松虫」は鈴虫のことで、現在とは逆です。「きりぎりす」はこおろぎ、「はたおり」はきりぎりす、「われから」は藻などについている小さな虫、「ひを虫」はかげろうのことです。清少納言はこれらの虫を代表的なものとしています。特に松虫や鈴虫、ひぐらし・こおろぎ・きりぎりすなど音を出す虫に注目しています。鳥は鶯や時鳥、雁なども啼き声を愛でて、その姿を和歌では詠まれていません。むかしの日本人は鳥も虫と同じく姿ではなく音を大切にしていたのです。西洋人は虫の音を機械音や雑音と同様に右脳(音楽脳)で処理しています。日本人は左脳(言語脳)で受けとめて虫の音を「虫の声」として聞いています。音楽や機械音や雑音は右脳、言語音は左脳だそうです。泣き声や笑い声、怒り声、虫や動物の鳴き声、波や風・雨の音、小川のせせらぎなどを日本人は言語と同様、左脳で聴き、西洋人は楽器や雑音と同じく右脳で聴いているのだそうです。なお、日本人でも外国語を母語として育てられると西洋型となり、外国人でも日本語を母語として育つと日本人型になってしまうそうです。

朝晩がだいぶ涼しくなってきました。心なしか庭の虫の音が弱くなってきました。日毎に秋の深まりゆくのを感じる今日この頃です。

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