• 木津宗詮

一陽来復

 『易経』の「地雷復」で、上は地、下は雷の卦でできています。これは、雷が地の下にひそんでいる形で、新しい時代の到来、活動の兆しが見えてきたことを象徴しています。「復」は元に戻るとか、帰るという意味です。この卦はすべてが陰であったところに陽がひとつだけ帰ってきたことを表しています。易の卦では旧暦10月はすべてて陰だけで構成される卦を持つ月です。これに対して、冬至を含む月である旧暦11月の卦は、10月に消えてしまった陽の卦がわずかに戻ってくることを表しています。 旧暦の11月は冬至を含む月です。『暦便覧』で冬至は、


 日南の限りを行きて日の短きの至りなれば也 と解説されるように、冬至は太陽が最も南に下り、昼の長さは一年で一番短くなる日です。冬至は陰が極まる日であるとともに再び陽が戻ってくるターニングポイントでもあります。まさに冬至は太陽にとっての一年の終わりであるとともに、太陽にとっての新しい一年の始まりの日でもあります。陽気がかすかに見える最初の月です。長い冬も終わり、ようやく春がめぐって来ました。

 昨日、年内最後の茶事を黒谷西翁院淀看席で無事にとり納めました。昨年末と本年2月に入院治療しましたが、先日の検査で再発していないとのことで安心して年を越すことができそうです。まさに今の気分は「一陽来復」です。

 写真は元大徳寺僧堂師家で聚光院住職であった川島昭隠老師の茶杓「一陽来復」です。昭隠老師は武者小路千家12代愈好斎と木津家3代聿斎の参禅の師であり、また二人の斎号は老師が与えています。昨日の茶事で用いました。ちなみの外箱の書付は現大徳寺管長で僧堂師家でもある嶺雲室高田明浦老師です。








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