長年楽しんできた高齢者の方は、正座ができなくなって茶道をやめるのが大半です。 そこでそうした人にお茶を楽しんでもらえるものを作ろうと、5年以上前から社中の数寄屋大工の木村さんや大畑さんと、いろんな方にリサーチしつつ、試行錯誤してきました。そしてようやく完成しました。
体力のない高齢の方が一人で組み立てられる様に、10キロあまりの軽量で単純なもの。あと何回使えるかわからないとの思いを持たれる方が多いことから、比較的値段が安価で、点前以外の目的でも使うことができる様に工夫を凝らしました。
認知の不安があるとの声があり、I Hヒーターを使いました。電熱器はスイッチを切らない限り供給され続けることから火災となることがあります。I Hヒーターは釜の内部のみが熱くなり外部が熱を持つことがありません。そして着衣や周りへの燃え移りなどの火災、温度調整も簡単、そして長時間放置されても自動的に電源が切れるなどとても安全です。釜に水を入れてI Hヒーターにのせてスイッチを入れれば湯になります。
そして風炉は当然ですが、出炉の構えで点前ができる様に工夫しました。普段はテーブルとして使うことができ、また炉を囲んで鍋物や食事を楽しめます。お土産でお菓子をもらったので親しい友達と気軽にお茶を楽しむこともできます。
正座ができなくなったということで、心ならずもお茶をやめるという現状を少しでも打開したいとの思いから作りました。長年にわたり支えてくれた方達に少しでも報いたいとの思いです。役に立てていただければ本当にありがたいです。
Comments