麁茶
飽即
休(印)
麁茶(そちゃ)淡飯(たんぱん)飽きれば即ち休す
筆者不明の黒谷西翁院の藤村庸軒好み「淀看の席」の床の小壁に掲げられた華鬘形の扁額です。
藤村庸軒は杉木普斎・山田宗徧・三宅亡羊とともに「宗旦の四天王」として著名です。
中央右寄りの人物は宗旦です。粗末なお茶に淡い食事に飽きればあとは休むだけ。「知足」即ちみずからの分(ぶん)をわきまえて、それ以上のものを求めないこと。分相応のところで満足するという心が記されています。
師匠宗旦の侘び茶の精神が込められた額を席中に掲げた庸軒の自負を垣間見ることができます。また床の落掛の上の小壁が高くなっています。大きくなった小壁の中央にこの華鬘形の板額を掲げて調和を図っています。このことからもこの額は庸軒の創建当初から掲げられていたことがわかります。
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