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執筆者の写真木津宗詮

墨汁入

李朝の墨汁入です。かつてある中国人から譲ってもらい香合として使っています。

北朝鮮の人が豆満江を密かに渡り、中国の吉林省で米と交換したとのことです。どれほどの米になったのか、その人が無事に北朝鮮に帰れたのかはわかりません。米を持ち帰れたなら飢えを凌いで命をつなぐことができたのでしよう。李朝は真鍮細工に優れた技術がありました。人物の象嵌がとても見事です。内部には今も墨汁の跡が残っています。この品に込められた思いを考えると大切にしなければならない気分になります。人に限らず物にこもった思いやその背景があるということを改めて教えてくれます。神がかったことと思われるやもしれませんが、物にも魂があるのです。


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