多宝塔

 多宝塔とは円筒状の塔身の部分に宝形(ほうぎょう)の屋根をのせた宝塔の周囲に裳層(もこし)をつけた形式の建物をいいます。

 かつて流儀機関誌『起風』に武者小路千家家元の茶室「半宝庵」の席名のいわれを書きました。長年にわたり「半宝」という語をいくら調べても出典がわかりませんでした。今から4年前の11月に友人とカンボジアにサッカーを観戦に行った時、偶然、氷解する体験をしました。

 その時にひらめいた「半宝」のいわれは、『法華経』宝塔品に書かれていることに違いないということでした。それは釈迦が霊鷲山(りょうじゅせん)で法華経を説いている時に、様々な宝玉で飾られ、五千の欄干(らんかん)、幾千の飾り棚、無数の旗や吹流(ふきながし)や宝石の環(かん)、幾千の大小の鈴が吊り下げられた巨大な宝塔が大地より出現し、空中に浮かびました。塔の中の多宝如来が釈迦を讚嘆して釈迦を塔中に招き入れ半座を分け、釈迦が説法したという故事です。