七福神の一人寿老人の姿は身の丈三尺(約90センチ)の小柄で、、長い頭に長い白髭、巻物をつけた杖を持ち、鹿をつれた姿で多く描かれるのが定番です。
初代木津宗詮の茶杓「寿老」二本です。一本は共筒共箱で、逆樋の竹を用い、全体に横幅が同じで節のあたりがほんの少しだけ広く、櫂先は柔らかな丸形の丸ためになっています。ぼってりした雰囲気はどこか寿老人に通じます。
もう一本は共筒で父6代徳至斎が極めの箱書をしています。こちらも逆樋の竹で、節を手前にとり節上が全体の三分の二で相当長く、櫂先は折ためといています。節上が長いことから寿老人の頭に見立てたものです。
二本ともいかにも寿老人の趣を感じさせてくれる茶杓です。
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