月輪寺の時雨桜です。
架蔵に先々代愈好斎の書付になる時雨桜で作られた茶杓があり、一度その木を見てみたいということで月輪寺を訪ねました。
月輪寺は愛宕山の東山腹にあり、月輪関白九条兼実が隠棲した地です。兼実は法然に深く帰依して円澄と号しました。法然と弟子の親鸞が流罪となる際、同寺で兼実との別離を惜しみ、それぞれの木像を刻んで形見としたとされています。親鸞は別れを惜しみ桜を手植えしました。花が終わり葉桜となると、葉の先から涙を流すように雫を落とすことから「時雨桜」と名付けられています。
快晴の乾燥した日には葉が雨に濡れたように多くの葉に雫がつくそうです。今が花の見頃でほんの数枚の葉しかみることができませんでしたが、苦労して訪れた甲斐がありました。
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