松の内とは年の暮れに松飾(門松)を立て門口にしめ縄を張ってお迎えした歳神様に滞在していただきもてなしをする期間をいいます。松飾は歳神様が道に迷うことなく家に来るための目印・神籬(ひもろぎ)、家に歳神様の滞在を示す印とも言われています。しめ縄は歳神様が滞在している間外界の穢れを遮断する結界です。鏡餅や御節料理は年神様に対するお供え物です。これをいただいて一年の健康や幸せをお祈りそれにあやかり、お年玉は「歳神様の魂」で、新しく瑞々しい魂をいただくことです。歳神様は歳徳神とかお歳徳さん、正月様、恵方神、大歳神などとも呼ばれる来訪神のことです。年を守護する神、農作を守護する田の神、家を守護する祖霊とされ、一年の幸福をもたらす力を与えて下れるとされています。なお、歳徳神は暦では女神の姿で描かれていますが、神話に出てくる大年神は男神であり、翁の姿をしているとされています。ちなみに松の内の期間は、江戸幕府が7日にまでとしたことから関東では7日、幕府の影響をそれほど受けなかった関西地方では今も元からの15日を松の内とする地域が多いようです。
写真はわが家の歳徳神で、松の内に初代松斎の寿の置字の軸と掛けて広間の床にお祀りしています。
この歳徳神の図は、大徳寺の大心が歳徳神と陰陽道で方位の吉凶を司る八柱の神である八将軍の版画に賛を認め、歳徳神の上に「歳徳」、「歳徳王」、その年の歳徳神の居る方角・恵方に「歳」と記しています。八将神は、陰陽道で、その年の福徳を司る神である。太歳(たいさい)、大将軍(たいしょうぐん)、太陰(たいおん)、歳刑(さいぎょう)、歳破(さいは)、歳殺(さいさつ)黄幡(おうばん)、豹尾(ひょうび)で、それぞれ木曜星・金曜星・土曜星・水曜星・土曜星・金曜星・羅睺(らごう)星・計都星の神格されたものです。今年一年、歳徳神は「東北東」の方角に居るそうです。これが「恵方」です。
なお、大心の賛は、
福寿海
應禱降福
和光同塵
是什麼像
歳徳八神
福寿海
まさに祷り福を降らす
和光同塵
これなんの像
歳徳八神
萬事吉祥
維何神像
歳徳八将
敬之祭之
福寿無量
万事吉祥
これ何の神像
歳徳八将
これを敬いこれを祭る
福寿無理
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