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都祝言

            上

           通理

 御會始

  都祝言

君を祝ふ都の春にうつる日の

なかき世かけてさしも仰かむ

仕ふへきいはふ心もせきたてゝ

かすむやはなの都路の春

江戸後期の公家久世通理(みちあや)の御会始(ごかいはじめ)の詠草です。

御会始とは今日の宮中歌会始めの儀のことです。あらかじめ暮れに題が出され、二首料紙に認められて詠進されます。それを天皇が見て、勝れた歌の右肩に点を打ちます。そしてこの詠草は詠進者に返され、今度は懐紙に清書して再び御所に提出し、御会始で披講されます。この点を「合点」といい、天皇自らが点を打つことから「勅点」といいます。ちなみに「合点がいく」の合点の語源です。この歌は、弘化1年(1844)1月24日の仁孝天皇主催の御会始の時に詠まれたものです。両方とも自分が仕える天皇を祝う心と、うららかな都の春の風情が詠み込まんだ歌です。

今年は二月の次に閏二月があり、役一月半ほど旧暦と新暦のずれがあります。そこで今年の元旦は旧暦12月10日となります。元旦は1月22日で、正月は22日のちとなります。だから今はまさに晩冬です。寒さはこれからが本番です。日付の上では新年ですが、本当の季節とは大幅にずれています。だからいろんな伝統的な行事や文学が実際の季節とあわないことが多分にあります。明治の改暦以前の作品を読む時には、季節と日付を十分に吟味する必要があります。この歌も本当の実感を知るには22日ころにならないとわからないのだと思います。

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