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執筆者の写真木津宗詮

雷と犬

更新日:2023年8月25日

大津絵の雷公図です。雷が太鼓を落として慌てて吊り上げようとしている絵で、どんな熟練した者でも失敗することがあるということを表しています。片方の角が折れ、猫のような顔。まことにユーモラスなタッチで描かれ、本来恐れられる雷がとても滑稽にみえます。もともと雷除けの護符として京都の山科と大津の境の追分てわお土産として売られていた庶民の絵です。

子どもの頃にお腹を出していると、「雷さんにおへそを取られる!」と大人たちに脅かされました。これは寒冷前線が通過後、急激に気温が下がることが多く、お腹を出していると冷えて下痢を起こしやすくなることから、それを戒めるために生まれた伝承とのことです。

雷から逃れる方法として、蚊帳に逃げ込み「桑原!桑原!」と唱えるなどがあったとのこと。桑原は菅原道真の荘園で、道真は死後雷神となり、落雷をおこし被害を及ぼしましたが、桑原には雷が落ちなかったことによるそうです。

ちなみに雷が鳴るとうちの番犬の紀州犬がとても怯えて盛んに「わん!わん!」と鳴き、挙げ句の果てには失禁してしまいました。また、先月は網戸を破って家の中にはいってきたり、勝手口の戸にしがみついてボロボロにしてしまいました。今朝は口を拘束しましたが役に立ちません。鳴き声はご近所の迷惑になるので夏場は本当に困りものです。

ちなみに日本犬は一般的に水をとても怖がります。うちの犬は水を打ち始めると尻尾を下げて精一杯後ずさりして水を避けます。聞くところによると、日本の川は大陸のものと違い長さが短く、流れが早いので溺れることがあり、先祖がそれを恐れた記憶が伝えられているのだとか。以前飼っていたラブラドールレトリーバーは雷が鳴ってもいびきをかいて寝てました。また、水がとても大好きで川や池に喜んで飛び込んでいました。本当に対照的です。


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