8代大樋長左衛門(宗春)の大樋焼飴釉茶碗です。3代聿斎の歌銘がついています。
万代とみかさの山 そよはふなるあめか したこそたのし かるらし
この和歌は、『和漢朗詠集』が出典です。漢の武帝の嵩山で天を祀った時に百官の万歳の歓呼が山に響き渡った故事を踏まえた歌です。三笠山から万歳という声が聞こえるのは、大平の世の到来の兆しとして、人々が喜んでいるからであろうという意味です。 8代大樋長左衛門、奈良理理吉は、もともと7代長左衛門の弟子でした。7代の2人の息子がともに大樋焼に従事しなかったことから、理吉が8代大樋長左衛門として大樋焼を継承しました。茶道が衰退した困難な時期を耐えて大樋焼の伝統を守り、それが今日の大樋焼の隆盛につながったのです。 この茶碗も今日の天皇誕生日にちなんで使います。
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