• 木津宗詮

三峰

 江戸で初夢は「一富士、二鷹、三茄子」がもっともよいとされました。  江戸の駒込富士神社の周辺に鷹匠屋敷があり、駒込茄子が名産物であったことに由来するそうです。徳川家のゆかりの地である駿河国で高いものの順に、「富士山、愛鷹山、初物の茄子」の値段であるとか、富士山は日本一の山、鷹は賢くて強い鳥、なすは事を「成す」などの説があるそうです。 また、四以降は、「四扇、五煙草、六座頭」で、富士と扇は末広がりで子孫や商売などの繁栄を、鷹と煙草の煙は上昇するので運気上昇を、茄子と座頭は毛がないので「怪我ない」と洒落て家内安全を願うということ。他にも、「四葬礼に五雪隠」や「四葬礼、五糞」「四葬礼、五火事」とうのがあり、これは逆夢ということで喜ばれたそうです。


 大徳寺429世明堂宗宣の描く「富士山、鷹、茄子図」に同じく418世宙宝宗宇が「三峰秀色冠天弓(さんぽうしゅうしょくてんきゅうにかんす)」と着賛しています。

 「三峰」とは富士山のことです。富士山の形は平安時代から鎌倉時代に山頂が三つの峰に分かれ山頂が白く冠雪した状態で描かれるのが定型となっていました。室町時代に富士信仰の礼拝画として描かれた富士山本宮浅間大社所蔵の重要文化財に指定されている『絹本著色富士曼荼羅図』では、三峰の山頂には薬師如来、阿弥陀如来、大日如来の姿がみられます。「天弓」とは虹のことで、富士山の三峰が品格高く美しい姿を虹の上にそびえさせていると讃えています。

円山応挙画 富士山絶頂之図

 かつて富士山南西側の山麓に鎮座する富士山本宮浅間大社(静岡県富士宮市)を参拝しました。本殿の二層目は富士山を遥拝するためのもので、確かに同社から望む富士山は中央に最高峰の剣ヶ峰、左右に二峰の三峰型でした。



富士山本宮浅間大社

富士山本宮浅間大社から望む富士山






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