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執筆者の写真木津宗詮

勤息

東山のあるお寺の勝手口の表札。

勤息とは沙門(しゃもん・サンスクリット語のśramaṇa, シュラマナ)のことだそうです。仏教の男性修行者を指す語で、いわゆる出家僧のことです。語源はサンスクリット語で功労・努力を意味する sram と、息心・静まるを意味する sam で、勤息は両方の意味を合わせた中国語の訳語だそうです。

間違いなくこの寺の住職の先祖は僧侶で、明治にそれにちなみ”勤息”という苗字を名乗ったのだと思います。その和尚は戒律を守る努力をやめ、心の平安を放棄したのでしょう。

お釈迦さんが生涯かけて、後の人に示した安心の手だてを捨てた人たちの貴重な記念碑です。


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